コピー防止用紙にも、大河ドラマのブームに乗る地方自治体の広報戦略があるのか?

コピー防止用紙の表に、雲海の風景を・・・そして裏には、何と大河ドラマで今話題の、明智光秀と麒麟のイラストを載せているのです。 その福知山市オリジナル明智光秀のイラストを制作したのが、武将画イラストレーターの諏訪原寛幸さんです。
イラストは、肖像画から醸し出される知的で穏やかなイメージに加え、光秀の羽織の左右にさり気なく市章を配し、その下には明智の家紋である桔梗を表しています。
若い人にも人気が出るように、今風のアレンジを加えて描いたそうです。

福知山城天守閣入場者へ、光秀のオリジナルうちわをプレゼント、本丸の自動販売機で、光秀のイラストを購入すれば光秀の音声が出る

話は変わりますが、福知山光秀プロジェクト推進協議会では、オリジナルのミニうちわを6月2日の本能寺の変と6月14日光秀の命日に、福知山城天守閣の入場者へプレゼントして、そして光秀のイラストを本丸広場の自動販売機で購入ができます。
その時、光秀の声で「時は今」「明智光秀、ここに見参!」と声が出る仕掛けになっているそうです。 旅行者にとっては、趣向を凝らして何と面白い企画をしているのかと関心させられるのでは?

光秀の足跡は、主に福知山城と亀山城を築いたこと、そしてその地で善政を敷き、地元の民に愛され領主として慕われた。

ところで、以前のコピー防止用紙は、表に雲海風景があるだけだったのですが、
今回は、裏に明智光秀のイラストと麒麟を載せた事で、ずいぶん反響が大きかった。


その明智光秀の足跡は、いろいろあるみたいですが、天正3年(1575年丹波平定に着手し、京都府内で唯一天守閣がある福知山城と亀山城を築きました。
そして福智山では善政を敷き、由良川の氾濫を抑え治水をして、土地を開墾し城下町を整備しました。そして亀山城がある亀岡では、鎌倉後期から続く「国人衆」という中間的支配者を家臣として取り立てたり、そして家臣を大切に扱い、領民に対して税の免除を行なった。本能寺の変後は、洛中や丹波に対して地子銭(土地税・住宅税)を永代免除しています。  
それが丹波の町の礎となり、そして地元の民に愛され領主として慕われたことが、今までのイメージとは真逆の評価をえているのです。

実は本能寺の変で、裏切り者・極悪人と評されがちな光秀ですが、それは一部の資料が伝えている事をオーバーにし過ぎているのではないか。
実際は、内政に優れ領民に慕われていました。 その例が、福知山城や亀山城における善政や城下町の整備や治水工事は、高く評価されていて、今でも福知山御霊大祭や亀岡光秀祭りなど、光秀ゆかりの祭りが行われ、人々が光秀を尊敬していることがわかります。

福知山に根づいた明智家の家紋「桔梗」

さて、福知山城を見上げる公園で「由良のガーデン」があり7月には青色っぽい桔梗の花が乱れ咲いています。
例年夏になると、市内のあちこちで聞こえる福知山音頭、いろいろ歌詞がある中で代表的
なものに「お前見たかや、お城の庭を今が桔梗の花盛り」とあります

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に便乗したキリングループ

次は、民間企業とのコラボレーションなのですが、時は今 NHK大河ドラマのタイトルに「麒麟がくる」とある。 そこに目を付けたのがあのキリングループである。
グループとしては、福知山住民待望の大河ドラマなので、麒麟・光秀・桔梗紋・福知山城のデザインをペットボトルやビール缶に描いて企画した商品「キリンレモン」と「キリン一番搾り」を通じて応援をしたいということで、福知山市を中心にゆかりの地である近畿、中部地方の13府県を限定して、しかも数量限定で販売をはじめました。

余談になりますが、キリンビールのマークである麒麟のたてがみの図柄があります、実はよく見ると、
「キ」「リ」「ン」の小さな文字が、隠されているのが判ります。そう言われると、なるほど 確かにあるのです。 この原始的な隠し文字は、昭和8年に入れられていたそうです。その当時のデザイナーが、遊び心でデザインしたとも言われ、また偽造防止のためとも言われていますが、理由が謎であり、麒麟自体が古代中国の想像上の聖獣で、しかも文字を隠すことで神秘的に思わせる意図が、あったのか?

更に大河ドラマに便乗するJR西日本

さらに今度は、JR西日本が大河ドラマに便乗して、特急列車の白いボディーに金屏風にした光秀と福知山城などをデザインしたラッピングの特急列車が、20年8月8日から21年10月末まで福知山線、山陰線で運行を始めました。
福知山駅に停車する「こうのとり号」(新大阪~城崎温泉駅)、「きのさき号」(京都駅~城崎温泉駅)、「はしだて号」(京都駅~天橋立駅)に運用される。

 このラッピングした特急列車の豪華絢爛な姿が、一段と目立ち歴史好きや多くの鉄道ファンに人気を集めそうです。 福知山は、何といっても北近畿の鉄道の要衝であります。

大河ドラマに取り上げられた光秀のイメージが変わることを望む地域の人々

こんなにもマスコミを利用して、話題を一地域から関西圏そして、大河ドラマの時流に乗って全国まで知れ渡った事は、たまたま次から次に起こりえた事なのか?
計算し尽くされた周到綿密な計画なのか?
これは、前者のたまたま起こりえた事で、明智光秀は福知山の地で善政を行った事で、未だに領民に慕われ愛されている事が、大きくピックアップされることを、地域の住民が望んでいるのではないか?と私には、そう思えてなりません。

麒麟とは誰か、王とは誰か、ドラマを見ながら考えさせられる

麒麟(きりん)は、王が仁のある政治を行う前に現れる。と言われる中国の伝説の霊獣
であります。
応仁の乱以来荒廃した世の中、民は餓え戦乱の苦しみにあえいでいた。そんな苦しみから解放してくれる、仁の政治を行う王とは誰なのか?
明智光秀なのか? このドラマの脚本家はどう描いているのか 視聴者はどう思ったか最後まで見ないとわからない。いや見ても恐らく視聴者の心の中で解らないまま、考えさせられる課題なのか?

今までの光秀の作られた人物像ではなく、違う角度から見た人物像が描かれていて、
それとダブらせて現代の令和時代、新しい道を模索してほしい。

今回の脚本家である池端俊策さんは、作られた歴史の人物像ではなく、光秀が何を考えどう生きようとしていたか描かれています。
またこの現代でも、多くの人が令和という時代に、「麒麟がくる」の主役である光秀の生き様とダブらせていて、世の中が望む新しい時代の到来を求めて、新たな道を模索してほしいのではないか?  
2020年「麒麟がくる」のドラマをきっかけに歴史解釈の転換点となるかもしれませんね。 

 

ところで、まとめになりますが

・福知山光秀プロジェクト推進協議会では、福知山城天守閣入場者へ光秀のオリジナルうちわをプレゼント、本丸の自販機では、光秀のイラストを購入すれば光秀の音声が出ると言う何と面白い企画か?

・光秀の足跡は、主の福知山城と亀山城を築いたこと、そして、その地で善政を敷き、地元の民に愛され、領主として慕われた。

・光秀は歴史上、本能寺の変で裏切り者と評価されるが、実際は内政に優れ領民に慕われていた。

・福知山に根づいた明智家の家紋「桔梗」

・NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に便乗したキリングループ

・更に大河ドラマに便乗するJR西日本

・麒麟とは誰か? 王とは誰か? ドラマを見ながら考えさせられる。

・今までの光秀の作られた人物像ではなく、違う角度から見た人物像が描かれていて、それとダブらせて現代の令和時代で新しい道を模索してほしい。

最初に話していたコピー防止用紙の表の上に英文字の白抜き文字を繰り返し並べてその中に2か所隠し文字である「複写」を埋め込んでいます。また、その「複写」の文字にマイクロ文字を施しているのです。 一般的なものより巧みで、面白いですね

このようなコピー防止用紙に、出くわしたことは初めてで、福知山地域住民の方が、折に触れて証明書を発行するとき、コピー防止用紙を常に見ているわけです。そうであれば、コピー防止用紙に載せている明智光秀のイラストに影響を受け、周辺の知人や遠方の親戚まで、世間話の中に話題として入っていると思います。
 また、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に便乗してキリングループや西日本JRとのコラボレーションは、自治体の広報戦略に花を添えた格好になったのではないでしょうか?

 

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21.02.08

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