訪問介護記録で「サービス記録でモチベーションを上げる方法」

はじめに

訪問介護の現場では、日々の記録が重要な業務の一つです。しかし、「義務としての記録」にとどまってしまうと、ついおざなりになり、やる気の低下にもつながります。けれども、実は記録のつけ方や捉え方次第で、自分自身のモチベーションを上げ、仕事への充実感を高めることができるのです。

今回は、「記録を通してモチベーションを上げる」ための考え方と実践法をご紹介します。

なぜ記録がモチベーションに影響するのか?

1. 成果を可視化することで達成感が得られる

忙しい日々の中で、自分の仕事の成果を実感するのは難しいものです。しかし、記録を通して「どんな支援を行ったか」「利用者様にどんな反応があったか」を振り返ることで、自分の介護が人の役に立っている実感を得られます。

2. 自分の成長を確認できる

記録は蓄積されていくものです。過去の記録と比べて「視点が広がった」「表現が具体的になった」など、自分の変化やスキルアップを確認できる貴重な資料となります。

3. チームや他職種からの信頼につながる

丁寧で的確な記録は、ケアマネジャーや他のスタッフにとって信頼の証です。自身の記録が他者の業務や判断に役立っているという実感は、仕事への誇りにもつながります。

モチベーションを高める記録の工夫

1. 小さな変化や気づきを書き残す

「当たり前」と感じて見過ごしがちな利用者様の変化や反応を記録することで、自分の観察力や支援の価値に気づけるようになります。

例:「今日は自分から歩行器を使って移動され、『一人でやってみたい』と話された」
  「食事中、いつもより表情が明るく、会話が弾んだ」

2. ポジティブな表現を意識する

ネガティブな内容ばかりでは気が滅入ってしまいます。事実を記載しつつも、「できたこと」「良かった点」を意識的に書き加えるだけで、記録を見る自分自身の気持ちも前向きになります。

例:「排泄後、少し疲れた様子だったが、声かけに笑顔で応じられた」
  「掃除中、昔の話を楽しそうに語られていた」

3. 自分へのメモや振り返りを加える

記録の欄外や備考欄を使って、「次回はこうしてみよう」「この対応はうまくいった」など、自分なりの気づきや工夫を記すことで、記録が単なる報告ではなく、学びの場になります。

4. 「物語」としての記録を意識する

利用者様一人ひとりの生活には、その人なりの物語があります。支援の一コマを「物語の一場面」としてとらえると、記録が生き生きとし、自分自身の介護観にも深みが生まれます。

例:「今日もお気に入りの歌を口ずさみながら洗濯物をたたまれていた。その姿に季節の移ろいを感じた」

チーム全体のモチベーション向上にもつながる

記録を通じたモチベーションアップは、個人だけでなくチーム全体にも波及します。

1. 記録を共有し、互いの気づきを高める

記録の中で見つけた利用者様の変化や感動的なエピソードをミーティングで共有することで、スタッフ全体の意識や共感が高まります。

2. 「いい記録」を褒め合う文化をつくる

良い記録を見つけたら、それを取り上げて「こんな視点がいいね」「気づきが素晴らしい」とフィードバックすることが、記録力と意欲の向上につながります。

3. 記録を「業務」ではなく「対話の一環」として捉える

記録を書くことは、利用者様との対話の延長線上にあると考えることで、単なる事務作業ではなく、心のこもった支援の一部としての意味を持たせることができます。

実際の事例:記録が職場の雰囲気を変えた

ある事業所では、記録に「今日の嬉しかったことを一言添える」というルールを設けたところ、スタッフ間の会話が増え、利用者様との関わり方も前向きになったという報告があります。

「記録を見るのが楽しみになった」「同じ出来事を見ても、見方が変わった」という声も上がり、記録が職場の雰囲気づくりに貢献したのです。

まとめ:記録はモチベーションの源にもなる

記録は単なる業務ではなく、自分自身の成長ややりがい、チームの活性化につながる重要な要素です。日々の業務の中で、少しだけ視点を変えて記録に取り組むことで、介護の仕事がさらに豊かなものになります。

「記録で心が動く」——そんな体験を、ぜひ今日から始めてみませんか?

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