偽造防止用紙|種類別の特徴比較、コスト、選び方などくわしく解説

「無断でコピーされたくない重要書類のために、偽造防止用紙というのがあると聞いたけれど、どんなもの?」
「偽造防止用紙を利用したいが、どんな種類があるの? どれがうちの会社に合っている?」

この記事を読んでいるのは、そんな疑問を持っている方ではないでしょうか。

「偽造防止用紙」とは、特殊な加工を施すことによって、複製(コピー)や改ざんなどの偽造を防ぐことができる紙のことです。
各種証明書や金券などの重要な書類を作る際の用紙として用いられ、大きくわけて以下の2タイプがあります。

・偽造を未然に防ぐもの:通常のコピーでは再現できない特殊なインクで印刷するなど
・偽造された際に発見しやすくするもの:原本では見えないが、コピーすると「COPY」という文字が浮かび上がるなど

偽造防止にはさまざまな技術が用いられますが、中でも主なものは以下の5種です。

それぞれの特徴を踏まえて、目的に合ったものを利用するとよいでしょう。

また、以下の7点をチェックした上で選ばないと、「安かったけれど使いづらかった…」という失敗に陥りかねませんので注意してください。

偽造防止用紙を選ぶ時のチェックポイント チェック
1 原稿の文字が読みやすいか  
2 コピーした際に文字が判読できるかできないか  
3 コピー機の設定によって偽造防止をスルーされないか  
4 普通紙と同じように扱えるか  
5 複写機に制約があるかないか  
6 経年劣化しないか  
7 価格が予算に見合っているか  

この記事では、偽造防止用紙について、以下の内容をくわしく説明していきます。

▼本記事の内容
◎偽造防止用紙とは
◎偽造防止用紙が必要な理由
◎偽造防止用紙の主な利用シーン、用途
◎偽造防止用紙を自分で作る方法
◎主な偽造防止用紙の種類と特徴比較
◎偽造防止用紙の費用相場
◎偽造防止用紙を選ぶ際の8つのチェックポイント

最後まで読めば、偽造防止用紙についてよくわかるでしょう。
この記事で、あなたの事業所が重要書類を安全に取り扱えるようになることを願っています。

1. 偽造防止用紙とは

まず最初に、「そもそも偽造防止用紙とはどんなものなのか?」について、あらためて考えてみましょう。

1-1. 「偽造防止用紙」とは?

「偽造防止用紙」とは、特殊な加工を施すことによって、複製(コピー)や改ざんなどの偽造がなされることを防ぐことができる紙のことです。

原本は普通の紙ですが、コピーすると「複写」という文字が浮かび上がるなど、明らかに偽造だとわかるように作られています。

▼偽造防止用紙の一例

 

ひと口に偽造防止用紙といっても、偽造防止技術の種類は多種多様で、大きくわけて以下の2タイプがあります。

・偽造を未然に防ぐもの:通常のコピーでは再現できない特殊なインクで印刷するなどして、そもそもコピー自体できなくするものなど
・偽造された際に発見しやすくするもの:原本では見えないが、コピーすると「コピー」という文字が浮かび上がるものなど

これらの技術を単体で用いる用紙も多いですが、より偽造しにくくするために、複数の技術を組み合わせた用紙も作られています

この偽造防止用紙の加工技術と種類については、3. 主な偽造防止用紙の種類と特徴」でくわしく説明しますので、そちらも読んでください。

1-2. 偽造防止用紙が必要な理由

では、このような偽造防止用紙がなぜ必要とされるのでしょうか?
その理由としては、主に以下のようなことが考えられます。

・コピーの技術が発達、一般化して精密な複製が簡単に作れるようになったため、各種証明書などの公文書偽造が増加している
・ペーパーレス化が進んでいるが、電子文書は複製が容易なので、一部の重要な文書に関してはセキュリティレベルの高い紙での発行が求められる

特に、商品券などの金券類やチケット類などは、本物がどのようなデザインか判別できない人も多いため、コピーが作られやすいというリスクがあります。
各種証明書などの公文書の場合は、偽造されることで誰かの権利や財産が侵害されたり、重大な被害が生じるかもしれません。

そこで、そのような安易な偽造を未然に防ぐために、またはもし偽造されてもすぐに「偽造だ」と気づけるようにするために、書面自体に偽造防止の加工が施された用紙が必要とされているのです。

1-3. 偽造防止用紙の主な利用シーン、用途

偽造防止用紙が必要とされていることはわかりました。
では、具体的にはどのようなシーンで、何のために利用されているのでしょうか?

主な利用シーン、用途は以下です。

・金券:商品券、地域振興券、チケット、割引券など
・証明書:<自治体>戸籍謄本、住民票、印鑑証明、納税証明書など
     <大学>卒業証明書、成績証明書、在学証明書、健康診断証明書など
     <その他>保険証書、保証書、設計図、資格証明書、建築確認済証、許可証など
・その他:契約書、覚書など

これ以外にも、偽造やコピーをされたくない書類であれば、偽造防止用紙を用いるとよいでしょう。

2. 偽造防止用紙を自分で作る方法

実は偽造防止用紙は、簡単なものであれば自分で作成することも可能です。

それは、「複合機の地紋コピー機能を利用する」という方法によってです。

複合機の中には、「地紋コピー」の機能が搭載されているものがあります。
複合機本体とプリンタドライバで簡単に設定でき、「コピー」「COPY」などの文字や地紋を指定すると、その複合機から出力した原稿は普通に見えますが、コピーすると隠し文字や地紋が浮かび上がるようになります。
中には、コピーすると全面が黒く出力されるように設定できるものもあります。

偽造防止用紙を自作したい場合は、まずは自社の複合機に地紋コピー機能があるかを確認して、あれば利用してみてください。

<主な複合機メーカーの偽造防止方法>

・リコー「Q.不正にコピーされないよう地紋、コピーガードを設定して印刷する方法について知りたい。
・キャノン「【iR-ADV】地紋印字機能とはどのような機能ですか
・富士フィルム「隠し印刷の仕方を教えてください。

3. 主な偽造防止用紙の種類と特徴

次に、偽造防止用紙にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

3-1. 主な偽造防止用紙の種類

偽造防止用紙を用いられている加工技術で分類すると、主なものとしては以下のような種類があります。

【偽造防止用紙の種類】

種類 用いられている加工技術
「隠し文字」(コピーガード) 人の目には見えにくい、大きさの異なる点や線を組み合わせて文字やマークを印刷する。
コピーをとると、原本では見えなかった文字やマークをコピー機が認識して印字するため、それがコピーだとわかる仕組み。
隠し文字は「コピー」「複写」などが使われることが多い。
マイクロ文字 人の目では判読できないほど小さな文字を印刷する。
原本は、ルーペなどで拡大すると判読できるが、コピーすると文字がつぶれてしまって拡大しても文字の形をなしていないため、コピーだとわかる仕組み。
線や模様などの中にマイクロ文字を入れ込んで、デザイン化するものもある。
すかし 紙を角度を変えて見たり光にすかして見たりすると、文字やマークがすけて見える。
「すかし用紙」と「すかし印刷」の2タイプがある。
・すかし用紙:紙自体の一部を薄く漉(す)くことで、その部分がすけて見えて文字やマークが浮かび上がる。
 紙幣などでも使われる技法で、作成には時間とコストがかかる。
・すかし印刷:普通の紙に特殊なインクで印刷することで、その部分がすけて見え、文字やマークが浮かび上がる。
 印刷するだけなので、すかし用紙より手軽で低コスト。
グラデーション 紙に色をグラデーションをつけて印刷する。
原本は、なめらかなグラデーションが表現されているが、コピーをすると色の薄い部分が再現されず、白くプリントされる。
示温インキ(サーモクロミックインキ) 温めると色が消える特殊なインク=示温インキで、紙にマークやロゴなどを印刷する。
原本は、印刷部分を指などで温めるとマークやロゴが消える(しばらくするともとに戻る)が、コピーしたものは普通のインクなので触れてもマークやロゴが消えないため、コピーだとわかる仕組み。
エンボス 紙に型押しで文字やマーク、模様などを立体的に加工する。
立体的な部分はコピーで再現できないので、偽造されにくい。
ホログラム 紙の表面に、光の当たる角度によって色が変わる箔を転写する。
色が変わる効果は、カラーコピーでも再現できないので偽造されにくい。

それぞれに、偽造の難しさやコストなどが異なりますので、使用目的に合ったものを選んで利用するといいでしょう。
そのために、次章ではそれぞれの違いを説明します。

3-2. 主な偽造防止用紙の特徴比較

前項で挙げた偽造防止用紙の中でも、特によく利用されている代表的なものが以下の5種です。

・隠し文字(コピーガード)
・マイクロ文字
・すかし
・グラデーション
・示温インキ(サーモクロミックインキ)

そこで、この5種の中から目的に合ったものを選べるよう、特徴を比較してみましょう。
以下の表を見てください。
比較するポイントは5点です。

・偽造判別:どのような方法で偽造が判別できるか
      →「複写機」コピーするとわかる/「目視」目で見てわかる
・現象:偽造の場合どうなるか
・経済性:コストパフォーマンスはいいか
・実用性:紙として使いやすいか
・利用シーンなど:汎用品(一般的に使えるもの)かオーダー品か
         主にどのような場所で使われるか

では、それぞれ説明していきましょう。

3-2-1. 隠し文字(コピーガード)

もっともよく使われるのが「隠し文字」で、住民票などの公的な文書から民間企業まで幅広く用いられています。
これは原本を見るとただの紙ですが、コピーすると「COPY」などの文字が表れて偽造だとわかるものです。
というのも、実は原本には大小異なる細かいドットで文字や地紋の形が印刷されているのですが、目視ではそれは見えません。
ただ、コピーやスキャンをすると、大小のドットの片方だけが認識されてもう片方が認識されなくなり、結果として文字や地紋が浮かび上がるように出力されるという仕組みです。

隠し文字はコストパフォーマンスも実用性も高く、既製品が市販もされているので、誰でも手軽に利用できます。

3-2-2. マイクロ文字

ついで利用しやすいのが「マイクロ文字」です。
紙にごく小さな文字が印刷されていますが、あまりに小さいためコピー機では再現できず、コピーすると文字がつぶれるので偽造だとわかります

こちらもコスパ、実用性ともに高いですが、基本的に既製品はなく、印刷会社にオーダーして作ってもらう必要があります。

3-2-3. すかし

「すかし」原本にある文字やマークなどが、コピーすると写らないので、ただののっぺりした紙になることで偽造を判別できるものです。

この技法は、紙幣のように紙自体の一部を薄くして、光に透かすと文字やマークが見えてくるものもありますが、より一般的な方法としては、特殊なインクで文字やマークを印刷するものがあります。
光に透かしたり角度を変えて見たりすると文字やマークが見えますが、コピーで再現することができません。

これも既製品はないので、印刷会社にオーダーして印刷してもらいます。

 

3-2-4. グラデーション

 

「グラデーション」は、紙に印刷で色をつけ、グラデーションで一部を薄くする方法です。
色を印刷する際には、細かい網状のスクリーンにインクを通して紙に色付けをします。
つまり、色といっても細かいドット(=網点【あみてん】と呼びます)の集合体で、そのドットの大きさによって色の濃淡を表現します。
ドットが大きければ色が濃く、小さければ薄く見えるというわけです。

そして、このドットの大きさが10%以下になると、目視では色を確認できますが、コピーやスキャンでは再現できず色がなくなるのです。
これを利用して、偽造を判別します。

ちなみに色の中でも、特に黄色、オレンジ色、エメラルドグリーン、浅黄色はコピー機やスキャナーで認識しにくいため、偽造防止に向いています。
反対に、黒や濃いグレー、濃紺、焦茶色、セピア色、紫色、赤茶色、紅色、小豆色などは、コピー機でも認識されやすい色と言えます。

 

【色見本(実物を写真撮影したもの)】

 

【色見本(コピー)】

 

3-2-5. 示温インキ(サーモクロミックインキ)

もうひとつ、「示温インキ」というものもあります。

サーモクロミックインキとも呼ばれ、温めると色が消える特殊なインクです。
これを用いて文字やマークなどを印刷した紙は、指などで触れて温めると、温度に反応してその部分が消えて印刷した文字やマークが見えなくなります
ただ、この効果は短時間なので、しばらくするとすぐまた浮かび上がってきます。

一方、これをコピーすると、示温インキで印刷された文字やマークはそのまま再現されます。
が、指で触れても消えないため、偽造だとわかる仕組みです。

4. 偽造防止用紙の費用相場

このように、さまざまな種類がある偽造防止用紙ですが、ではその費用感はどの程度でしょうか?

「3-2. 主な偽造防止用紙の特徴比較」で触れたように、偽造防止用紙には市販のものとオーダーメイドのものがあります。
市販のものは「隠し文字」の用紙が多く、費用も安めで入手できます。
一方、独自に複数の技法を組み合わせてセキュリティ効果を高めたい場合(隠し文字+すかし+サーモクロミックなど)や、企業のロゴや自治体のマークなどを印刷する場合は、偽造防止の技術を持つ印刷会社などにオーダーするのが一般的です。
オーダーの場合は、以下の費用が発生します。

【偽造防止用紙のオーダー費用内訳】
・用紙代
・印刷代
・製本代
・刷版代
・データ作成代
・デザイン代
・送料   など

市販、オーダーの費用はそれぞれおよそ以下の通りです。

【偽造防止用紙の費用相場】

用紙の種類 費用相場 備考
市販 隠し文字 A4:10〜20円/枚 ・100枚~500枚単位での販売が多い

・両面コピー用のものや厚手の紙はこれよりコスト高の場合もあり

メタル A4:224円〜/枚 ・表面をメタリックに加工、コピーすると前面が黒く出力される
オーダー 隠し文字

A4:1,000枚

2万5,000円〜

※これは特定の印刷会社の一例です。

正確な価格は見積もりをとってください。

・グラデーション、サーモクロミックなどの加工を追加する場合は、随時費用も加算される

隠し文字
+すかし

A4:1,000枚

4万円〜

隠し文字
+すかし
+サーモクロミック
A4:  /枚   

ポピュラーな「隠し文字」の用紙であれば、市販もオーダーも安価ですが、その他の加工を希望する場合は費用はまちまちですので、見積もりをとって検討してください。

偽造防止用紙のことなら
天野印刷にご相談ください!

「伝票のAMANO」は、オーダーメイドの改ざん・偽造防止用紙(コピー防止用紙)の印刷を承っております。

・隠し文字
・すかし
・地紋、彩紋
・マイクロ文字
・示温インキ
・グラデーション
・蛍光インキ   など

※サンプルご希望の場合はお問合せ下さい。

くわしくはこちらからご確認ください。またお悩みの点があればお気軽にお問合せください。

5. 偽造防止用紙を選ぶ際の7つのチェックポイント

さて、偽造防止用紙の費用相場もだいたいつかめたかと思います。
そこで、「この相場と比較して、できるだけ安いものを買おう」と考える方も多いでしょう。

が、その前にもうひとつ、知っておきたいことがあります。
それは、「偽造防止用紙を選ぶ際に、確認しておきたいチェックポイント」です。
以下の7点をチェックした上で選ばないと、「安かったけれど使いづらかった…」という失敗に陥りかねませんので注意してください。

チェックポイント チェック
1 原稿の文字が読みやすいか  
2 コピーした際に文字が判読できるかできないか  
3 コピー機の設定によって偽造防止をスルーされないか  
4 普通紙と同じように扱えるか  
5 複写機に制約があるかないか  
6 経年劣化しないか  
7 価格が予算に見合っているか  

以上は市販品を選ぶ際にはもちろん、オーダーの際にもチェックしたいポイントですので、それぞれくわしく説明していきましょう。

まず第一に確認したいのは、「原稿の文字が読みやすいか」です。

偽造防止用紙の中には、地模様が入っているものや、表面に特殊な加工がされているものがあります。
そのため、場合によってはそこに記載する原稿自体が読みにくくなってしまう恐れもあるのです。
たとえば、濃いめの地色に地模様が細かく入っている用紙に、小さな文字の原稿や細かい図面などを印刷すると、そもそもコピー前の原本からして見づらいでしょう。

そのようなことがあれば本末転倒ですので、まずは「偽造防止用紙にどんな原稿を記載するのか」を考慮して、コピー前の原本の段階でそれが読みやすい用紙であるか選んでください。

5-2. コピーした際に文字が判読できるかできないか

次に、「コピーした際に文字が判読できるかできないか」を確認します。

「1-1. 『偽造防止用紙』とは?」で説明したように、偽造防止用紙には「偽造を未然に防ぐもの」と「偽造された際に発見しやすくするもの」があります。
後者には「隠し文字タイプ」などが含まれますが、その場合は偽造すると「コピーであること」はわかりますが、原稿の内容自体は十分に読むことができるケースも多くあるのです。

もし偽造防止用紙に記載した原稿が、「内容自体を知られたくないもの」である場合は、コピー後に文字が判読できないもの、たとえばコピーすると用紙が真っ黒になって出力されるものなどを選ぶ必要があるでしょう。

5-3. コピー機の設定によって偽造防止をスルーされないか

次のポイントは、「コピー機の設定によって偽造防止をスルーされないか」です。

どういうことかというと、実は「隠し文字タイプ」の偽造防止用紙の場合、コピー機の読み込み解像度を低く設定すると、隠し文字が認識されなくなってしまうものがあります。
たとえば、通常の解像度でコピーすると「コピー」「複写」などの文字が地模様として浮かび上がる用紙でも、コピー機を低解像モードにして読み込むと、隠し文字のないコピーができてしまうというわけです。

これを避けるには、まずは用紙を少部数購入した上で、低解像度でコピーしてみて、隠し文字が出てくるか確認するなどの対応が必要でしょう。
また、隠し文字だけでなくサーモクロミックなど他の加工も組み合わせた用紙であれば、セキュリティレベルを上げることができます。

5-4. 普通紙と同じように扱えるか

偽造防止用紙といっても、そもそも普通の紙として使えなければ意味がありません。
そこで、「普通紙と同じように扱えるか」も重要です。

偽造防止用紙自体に文字を書いたり印刷したりして原本を作る際に、インクがうまくのらなかったり乾きにくかったりする紙では使いにくいものです。
また、切ったり折ったり重ねたりする必要があるなら、それがしやすい紙質であるのが望ましいでしょう。

そこでこの場合も、実際に少部数購入した上で、書いたりプリントしたり触ってみたりして、扱いやすさを確認してください。

5-5. 複写機に制約があるかないか

さらに、偽造防止用紙に原稿をプリントする際に、「複写機に制約があるかないか」もチェックしましょう。
というのも、中には「レーザープリンター、インクジェットプリンターのみに対応」「高速プリンターには非対応」など、プリントできる複写機が限られている用紙があるためです。

たとえば、「契約書を偽造防止用紙で作りたい」という場合を考えてみましょう。
社内のPCで契約書を作成し、プリンターに偽造防止用紙をセットしてプリントアウトできると思いますが、その際に、自社のプリンターに対応していない偽造防止用紙であれば、そもそも原本となる契約書自体がきちんと出力されない恐れがあるというわけです。

このようなことがないよう、事前に自社のプリンターに対応している用紙かどうかを確認しておく必要があるのです。

5-6. 経年劣化しないか

「経年劣化しないか」も確認が必要なポイントです。

偽造防止用紙を用いてまで「偽造を防ぎたい」と考えるような文書は、基本的に重要書類であるはずです。
となると、長年にわたって保存できるものでなければなりません。

紙が痛みやすかったり、数年で印字が薄くなってしまったりすることがないか、メーカーや印刷会社に確認するなどして事前によく調べましょう。

5-7. 価格が予算に見合っているか

最後のポイントは、「価格が予算に見合っているか」です。

4. 偽造防止用紙の費用相場の表を見てわかるように、偽造防止用紙の市販価格・オーダー費用の相場には大きな幅があります。
セキュリティレベルを上げるために、「隠し文字とすかしとサーモクロミックを組み合わせたい」「偽造しにくいように、複雑な模様や細かいマイクロ文字をたくさん入れたい」などと希望すれば、その分デザイン代や製版代などもかさむため、費用は高額になっていきます。

そこで、自社が希望するセキュリティレベルと予算とを鑑みて、バランスのとれる価格帯の用紙を選びましょう。
オーダーの場合は、まずは数社の印刷会社に相談して見積もりを出してもらい、その中から予算と折り合いがつき、もっとも納得できるところにオーダーするといいでしょう。

6. まとめ

いかがでしたか?
偽造防止用紙について、知りたいことがわかったかと思います。
ではあらためて、記事のポイントをまとめましょう。

◎偽造防止用紙とは、特殊な加工を施すことによって、複製(コピー)や改ざんなどの偽造がなされることを防ぐことができる紙

◎偽造防止用紙の主な利用シーン、用途は、
・金券:商品券、地域振興券、チケット、割引券など
・証明書:戸籍謄本、住民票、印鑑証明、保険証書、卒業証明書、保証書、設計図、資格証明書、建築確認済証、許可証など
・その他:契約書、覚書など

◎主な偽造防止用紙の種類と特徴比較は、

◎偽造防止用紙の費用相場は、

用紙の種類 費用相場 備考
市販 隠し文字 A4:10〜20円/枚 ・100枚~500枚単位での販売が多い

・両面コピー用のものや厚手の紙はこれよりコスト高の場合もあり

メタル A4:224円〜/枚 ・表面をメタリックに加工、コピーすると前面が黒く出力される
オーダー 隠し文字

A4:1,000枚

2万5,000円〜

※これは特定の印刷会社の一例です。

正確な価格は見積もりをとってください。
・グラデーション、サーモクロミックなどの加工を追加する場合は、随時費用も加算される

隠し文字
+すかし
A4:1,000枚 4万円〜
隠し文字
+すかし
+サーモクロミック
A4:  /枚   

◎偽造防止用紙を選ぶ際の7つのチェックポイントは、

チェックポイント チェック
1 原稿の文字が読みやすいか  
2 コピーした際に文字が判読できるかできないか  
3 コピー機の設定によって偽造防止をスルーされないか  
4 普通紙と同じように扱えるか  
5 複写機に制約があるかないか  
6 経年劣化しないか  
7 価格が予算に見合っているか  

以上を踏まえて、あなたの事業所が重要書類を安全に守れるよう願っています。

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